Amazon.co.jpが注目するアーティストについて“深く掘り下げる=Deep Dive”コーナー。今回はアルバム『ASCENSION』をリリースするMISIAが登場。



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インタビュアー: アルバム「ASCENSION」に収録の楽曲は昨年の「星空のライヴIII」や「TOUR OF MISIA 2007 ASCENSION」で、先行して披露していましたね。

MISIA: アルバムのテーマが“生きる”だったので、それを伝えるには、ライヴがいちばんだと思って。一昨年から新曲ができるたびにまずライヴで披露し、お客さんの感情や反応を見ながら少しずつアレンジや歌詞を変えていって。皆さんと一緒に育てながら、曲に生命力を与えていったんです。

インタビュアー: まさに生きた音楽ですね。

MISIA: 会場の歓声や手拍子に包まれたステージだからこそ出てくる、その場の表現みたいなものがあって、それはスタジオでいきなり出せるものではないから。それに私は、ライヴをやっているときこそ音楽をやっているんだという実感が沸くんです。だからライヴの感覚でレコーディングできれば、それがいちばんいいことだと思ったし。

インタビュアー: 収録の「We are the music」は最後に完成した楽曲だそうですが、全体のテーマや各曲の歌詞などを見事に集約させていますね。

MISIA: 特に“悲しみもステップに変えて”というフレーズにそれが表れていますね。アルバム・タイトルの「ASCENSION」という言葉には“上昇、昇天、昇華”などの意味があって。私はこの意味を“身の回りの出来事をすべてパワーに変えていくこと”という風に解釈したんです。人間には喜びや悲しみ、幸せや不幸せという感情があって、だからこそ音楽があると私は思っていて。たとえばブラジルのサンバなどラテン・ミュージックは表面的には陽気だけれど、その背景にはすごく悲しい物語がある。悲しみを乗り越えようと、それを力に転換するときには音楽の手助けが絶対に必要。そして実際に乗り越えたときには、大きな喜びを手に入れることができるんです。

インタビュアー: 歌詞の面では、全体に星に関連した言葉が多く出てきますが。

MISIA: 星、月、太陽、私がいつも五感で感じている存在なので、それを通じて伝えたいメッセージがたくさんあったから。

インタビュアー: 「月」という曲は、宮沢和史さんの作詞ですね。

MISIA: 月って女性的な存在だけれど、男性が書くと出てくる言葉がこんなに違うんだ! と思いました。“孤独なとき強がっているけれど、本当は今すぐあなたが欲しい”という内容のフレーズがあって。この表現ってすごいと思う。宮沢さんの歌詞には破壊的な強さがあって、私からはきっと出てこないであろうものですね。

インタビュアー: これぞ聴き所! というポイントになる曲はありますか?

MISIA: 『Angel』というバラードのラブ・ソングがあって。私の曲には転調が多くて、後半にかけて半音上がったり、最終的に1音半上がる曲もある。でも「Angel」は5半音も上がっているんですよ。実際にこれを歌うのは大変だけれど、ステージだとドラマティックですごく気持ちいい。“キター!”って感じになります(笑)。

インタビュアー: 最後に、ジャケットやツアーのステージセットに登場する“象”の意味するところを教えてください。

MISIA: 象は母なる地球のイメージ。地球の生命体の象徴として、象が使われることってよくあるんです。これはデザイナーの信藤三雄さんから聞いたお話ですが、象は頭のいい動物で生と死を理解している、と言われているそうです。仲間が亡くなると、悲しんだり、遺骨を大切に持ち歩いたりするらしいんです。こういうことをするのは、人間の他には象だけ。つまり、アルバムタイトル「ASCENSION」の象徴を“象”で表現しているんです。

インタビュー:榑林史章



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